インボイス制度から電子帳簿保存法へ、経理のデジタル化の波
昨年導入されたインボイス制度をきっかけに、社では電子帳簿保存法を見据え、経理システムを全面的に電子化しました。経理の専門家ではない私ですが、小規模企業では多岐にわたる業務をこなす必要があり、営業から経理、その他様々な業務を担当してきました。この経験から、幅広い知識とスキルを習得することができました。
私の経理キャリアは27歳頃に始まりました。大学で少し経理を学んだことがあったため、「経理に詳しいはず」という周囲の期待から、経理業務を手伝うことになったのです。
昔ながらの経理業務:紙と手作業の日々
当時は、紙の現金出納帳にゴム印で「〇〇費」などと押印する、非常にアナログな方法で経理作業を行っていました。その後、Lotus 1-2-3という表計算ソフトを導入しましたが、すぐに弥生会計という専門的な経理ソフトに移行しました。
当時のパソコン環境は、今とは比べ物にならないほど不便でした。DOS搭載のPCを使用し、経理作業を始めるには、まずDOSのフロッピーディスクを何枚も挿入し、次にソフトウェアのフロッピーディスクを入れて起動する必要がありました。起動までに10分以上かかることも珍しくなかったのです。今となっては懐かしい思い出です。
特に印象深いのは、損害保険業務での複式簿記の作業です。この作業は長期間にわたり、しかもボールペンでの記入が必須でした。そのため、まず鉛筆で下書きと計算を行い、検算でOKが出たらボールペンで清書するという二度手間が必要でした。今考えると、非常に手間がかかり、ミスも発生しやすい作業だったと感じます。現在のデジタル環境では、考えられないほどの手間でした。
電子帳簿保存法導入で業務効率が大幅に向上
これらの経験を経て、現在は在宅で経理サポートを行っています。現在の経理業務は、以前と比べて物理的な負担は大幅に軽減されました。しかし、経理特有の課題や悩みは依然として残ります。入力業務に関しては、技術の進歩により確実に効率化が進んでいます。
電子帳簿等保存法、スキャナ保存、電子取引の導入は、経理業務を大きく変えました。導入当初は戸惑いもあり、従来の手入力の方が効率的だと感じたこともありました。税理士の方々も同様に戸惑い、時には私に操作方法を質問することもありました。
しかし、1年が経ち、システムに慣れてくると、スキャナ保存のメリットがはっきりと見えてきました。この1年間、請求書や領収書の所在を尋ねられてもすぐに提示できるようになり、物理的な保管場所を探す手間がなくなりました。また、在宅勤務でも業務を完全にこなせるようになり、働き方の柔軟性が大幅に向上しました。
現在の業務フローは、週に一度レターパックで送られてくる書類を整理し、スキャンすることから始まります。この1年間で、スキャナ保存が様々な場面で活用できることを実感しました。社長と相談した結果、経理書類だけでなく、他の書類もスキャンして保存することになり、仕事の範囲は広がりましたが、それに伴い収入も増え、やりがいを感じています。
タイピング技術の低下とブログ執筆の意外な効果
一方で、キーボード入力の機会が減ったため、タイピング技術の低下を感じています。そのため、ブログ執筆はタイピングスキル維持にも役立つと考えています。
自宅にスキャナー専用機を導入したのも非常に便利でした。スマートフォンで撮影してPDF化することもできますが、専用機の利便性は格別です。私が使用しているのはScanSnapという機種で、様々なスキャナーの中でも評価が高い製品です。現在、身の回りの様々な書類をスキャニングしているところです。ScanSnapについては、後日ブログで詳しくご紹介します。
まとめ:電子帳簿保存法は経理業務の救世主
電子帳簿保存法の導入は、本当に有益だったと感じています。初期の混乱を乗り越え、今では業務効率が大幅に向上し、柔軟な働き方も実現できました。
- 経理業務は、手書きの複式簿記から電子帳簿法へと大きく進化。
- 昔は紙ベースで手間がかかり、パソコンも複雑で非効率だった。
- 技術の進歩により、経理システムが電子化され、効率が大幅に向上。
- 電子帳簿保存法の導入で、書類の管理や検索が簡単に。
- 働き方が柔軟になり、業務効率が飛躍的に改善。
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