50代60代からの安全なベンチプレスを始めるための心構え
最近は筋トレブームと言われています。街中には24時間ジムが続々とオープンしています。私が初めてフィットネスジムに通い始めたのは27歳の頃でした。大手チェーンの、今でも営業を続けているジムです。
あれから30年以上が経ち、フィットネス業界は良くも悪くも変化してきました。良い面では、会費が手頃になり、トレーニング時間も自由に選べるようになりました。また、器具やマシーンも改良され、使いやすくなっています。
一方で、気になる変化もあります。トレーナーの質については、何とも言えない状況です。トレーニング理論については触れません。それは時代とともに考え方が変わるものですし、昔の常識が今では非常識となることも自然なことです。しかし、ジムマナーは確実に昔の方が良かったと感じますし、トレーナーの熱心さにも違いを感じます。
さて、今回のブログで取り上げたいのはベンチプレスについてです。
50代や60歳を過ぎてからベンチプレスを始める場合は、特に注意が必要です。筋力の衰え、気力の配分、そして意外にも必要となる心肺能力など、考慮すべき点が多くあります。
しかし、50歳くらいの方には、恐れずにチャレンジしていただきたいと思います。一方、60歳の方で一度もベンチプレスの経験がない場合は、私は控えめにお勧めします。ベンチプレスの代わりに、怪我のリスクが少ないマシーンで十分な効果が得られるトレーニングができるからです。
このように年齢によって適切なトレーニング方法は変わってきます。ベンチプレスは多くの人に人気のトレーニングですが、初心者の方からはよく「バランスが取りづらい」「どのくらいの重量で始めるべきか」といった疑問があるとお見ます。この記事では、ベンチプレス初心者向けに安全で効果的なトレーニングのコツを経験から書いてゆきたいと思います。
バーベルの持ち方を安定させるためのポイント
初心者にとって最も多い悩みの一つが、「バーベルが傾く」問題こと。これは、バーベルを左右対称に持っていないことが主な原因です。バーベルにはグリップ位置を示す目安の「線」がありますので、両手の位置が同じになるように、小指がその線にかかる程度の幅で持つことを意識しましょう。
また、バーベルの重量が自身のコントロールできる範囲を超えていると傾きやすくなります。最初は「フラフラする」と感じるかもしれませんが、神経系の発達とともに安定して扱えるようになるので、無理せず続けることが大切です。
主な原因と対策:
- 左右の握る位置が異なる → グリップの目印を確認
- 片方の腕に力が入りすぎている → 意識的に両腕に均等な力を入れる
- 重量が高すぎる → 適切な重量に調整
- 肩甲骨の安定性が不足 → 補助運動で体幹を強化
初心者が安全に重さを調整する方法
初めてフリーウェイトでベンチプレスをする場合は、無理に高重量を目指さず、バーベルが傾かないギリギリの重さから始めるのがポイントです。この方法で神経を十分に刺激し、筋肉を使う感覚を身につけていきましょう。軽すぎる重量だと刺激が不十分になるため、少しずつ重量を上げていくと良いでしょう。
重量調整のポイント:
- バーのみ(20kg)から開始
- フォームが安定したら2.5-5kgずつ増やす
- 8-12回×3セットが安定してできる重さを選ぶ
- 疲労時は無理せず重量を落とす
ウェイトベルトは必要?ベンチプレスでの使い方と注意点
ウェイトベルトがベンチプレスに与える効果と影響
「ベンチプレスの際にウェイトベルトは必要ですか?」という質問もよくいただきますが、ベンチプレスではベルトは基本的に必要ありません。ウェイトベルトは腹圧を上げるために使用しますが、これは体幹に垂直に負荷がかかるスクワットやデッドリフトなどで重要になります。一方、ベンチプレスでは体が寝た状態で行うため、垂直にかかる負荷がないため、ベルトを使うメリットが少ないのです。初心者はカッコつけなくても大丈夫。ベンチプレスは意外と敷居の低いトレーニングです。
ウェイトベルトについて:
- スクワット・デッドリフトでは有効
- ベンチプレスでは基本不要
- 体幹の自力での安定が重要
- 高重量時の補助的使用は可
ベルトに頼らない腹圧の鍛え方
ベルトを使わずに腹圧を高める練習も重要です。ベルトに頼りすぎると、体幹を支える筋肉が鍛えられなくなってしまうため、ベンチプレス時にはベルトは使わず、自分で腹圧をかける感覚を身につけましょう。
腹圧を高めるポイント:
- 息を深く吸って腹部を膨らませる
- 横隔膜を意識的に下げる
- お腹全体に力を入れる
- 動作中は息を止めて保持
まとめ:ベンチプレスはフォームが重要なトレーニング
ベンチプレスはフォームが重要なトレーニングですが、正しい持ち方と無理のない重量設定を守れば、初心者でも安全に始められます。慣れないうちは少しずつ重量を上げつつ、自分の体が動きに順応していく感覚を楽しんでください。トレーニングを続けることで、フォームが安定し、ベンチプレスをしっかり効果的に行えるようになりますよ!
最後に重要なポイント:
- 焦らず段階的に重量を上げる
- 常にフォームを意識する
- 左右対称な動きを心がける
- 補助運動も取り入れる
- 疲労度に応じて調整する
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