スマートフォンで気軽に写真が撮れる時代
スマートフォンで気軽に写真が撮れる時代となり、写真愛好家の層は確実に広がっています。週末に近所の公園で季節の花を撮影したり、旅行先で素敵な風景を収めたり、お子様やお孫様の成長記録を残したり。そんな何気ない日常のシーンで、誰もが写真を楽しむ時代となりました。
そんな中、最近注目を集めているのが「ストックフォト販売」という新しい写真の楽しみ方です。撮影した写真をインターネット上で販売し、収入を得ることができる仕組みです。カメラが趣味の方にとって、これほど魅力的な機会はないかもしれません。特に50代の方々にとって、長年培ってきた写真技術や審美眼を活かせる場として、また定年後の新たな収入源として、大きな可能性を秘めています。
実際、私の周りでも「写真で副収入が得られるなんて素晴らしい」「今まで趣味で撮りためた写真が活かせるかも」といった声をよく耳にします。一方で、「どのサービスを選べばいいのか分からない」「始め方が難しそう」「審査が厳しそうで不安」という懸念の声も多く聞かれます。
確かに、ストックフォトサービスは数多く存在します。その中でも、日本発のサービス「PIXTA(ピクスタ)」と、世界的なプラットフォーム「Adobe Stock」は、特に人気の高い2大サービスとして知られています。しかし、一見似ているように見えるこの2つのサービスには、実は大きな違いがあるのです。
本記事では、実際に両方のプラットフォームで写真を販売している筆者の経験を基に、それぞれのサービスの特徴や違いを詳しく解説していきます。審査基準の違いから、収益の仕組み、入金方法まで、これから始めようという方に必要な情報を、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。
「写真で収入を得たい」「趣味を活かして副業を始めたい」とお考えの方に、この記事が最適なサービス選びの道標となれば幸いです。
1. アップロード制限の違い
ピクスタでは、始めたばかりのクリエイターには10-20枚程度のアップロード制限が設けられています。ただし、これは固定された制限ではなく、継続的な活動を行うことで徐々に上限が引き上げられていきます。審査にかかる期間は約10日程度を見込んでおく必要があります。
一方、Adobe Stockではアップロード枚数に制限がありません。好きなだけ写真を投稿できる自由度の高さが特徴です。また、審査は最短で2-3日程度と比較的早く、スピーディーな展開が可能です。
ピクスタ
- 初心者は10-20枚程度の上限あり
- 継続的な活動で上限が徐々に増加
- 審査期間:約10日程度
Adobe Stock
- アップロード枚数の上限なし
- 審査期間:最短2-3日程度
- 早い審査が特徴(しかし、遅い時は信じられないくらい遅い時もある)
2. 審査基準の違い
ピクスタの審査基準は約30項目あるものの、比較的柔軟な運用がなされています。特筆すべき点として、同じ被写体を異なるアングルから撮影した写真でも、それぞれ独立した作品として認められやすい傾向にあります。これは、作品のバリエーションを広げやすい環境といえるでしょう。
これに対しAdobe Stockは、7つの主要な審査基準に基づいて、より厳格な審査が行われます。技術面での要求が高く、特に同一被写体の類似写真は却下されやすい傾向にあります。プロフェッショナルな品質基準を重視する姿勢が表れています。
ピクスタの特徴
- 約30項目の審査基準
- 比較的通過しやすい
- 同じ被写体の異なるアングルも別作品として認められやすい
Adobe Stockの特徴
- 7つの主要な審査基準
- より厳格な審査
- 同一被写体の類似写真は却下されやすい
- 技術面での要求が高い
3. 収益の特徴
ピクスタでの販売は、基本的には数十円単位の取引が中心となりますが、時として1,000円から2,000円といった高額での販売が発生することがあります。この予測不可能な高額売り上げが、平均単価を押し上げる要因となっています。
Adobe Stockは、より安定的な収益構造が特徴です。通常、一枚あたり数百円台での販売が中心となり、販売数も比較的多い傾向にあります。単価の変動は少なめで、予測がしやすい収益モデルといえます。
ピクスタ
- 基本は数十円単位
- 突発的な高額販売(1,000-2,000円)の可能性あり
- 平均単価は比較的高め
Adobe Stock
- 安定的な数百円台の販売が中心
- 販売数は多い傾向
- 単価の変動が少ない
4. 入金システムの違い
ピクスタは国内の主要銀行への直接振込に対応しており、手続きが比較的簡単です。ただし、入金は翌々月10日となるため、収益化までには少し時間がかかります。
一方、Adobe Stockでは、PayPalなどの海外送金システムを介して入金が行われます。振込は申請後7-10営業日と比較的早いものの、米国税務情報の提出が必要となるなど、初期設定には若干の手間がかかります。
ピクスタ
- 国内主要銀行への直接振込が可能
- 振込時期:翌々月10日
- 手続きが比較的簡単
Adobe Stock
- PayPal等の海外送金システムが必要
- 振込時期:申請後7-10営業日
- 米国税務情報の提出が必要
5. 初心者へのおすすめ
初心者の方には、まずピクスタからスタートが良いかもしれません。その理由として、審査が通りやすく、国内サービスならではの手続きの簡便さが挙げられます。また、日本語でのサポートが充実していることも、始めたばかりの方には心強い要素です。さらに、審査に通りやすい環境は、モチベーション維持にも効果的です。
ただし、どちらのサービスも無料で始められる点は共通しています。写真の品質向上を意識しながら、継続的な活動を行うことが成功への近道となるでしょう。慣れてきた段階で、Adobe Stockにも挑戦してみることで、より多くの販売機会を得ることができます。
ピクスタがおすすめな理由
- 審査が通りやすい
- 国内サービスで手続きが簡単
- 日本語でのサポートが充実
- モチベーション維持がしやすい
注意点
- 両サービスとも無料で始められる
- 写真の品質は常に意識する必要あり
- 継続的な活動が重要
まとめ
初心者の方には、まずピクスタからスタートして、慣れてきた段階で、Adobe Stockにも挑戦してみることで、より多くの販売機会を得ることができます。
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